
こんにちは。
市役所に約25年間勤務して、アラフィフで退職した やめたいむ です。
ご覧いただきありがとうございます。
市役所は毎日、様々な市民が訪れて、手続きや申請を行います。
大抵の人はスムーズに手続きが終わりますが、中にはトラブルになってしまう人も・・
ひどい時には、役所や職員が危険な状態に陥ります。

市役所のキケンと意外な仕事についてです。
市役所職員はキケンと隣り合わせ

トラブルになる原因①税金の滞納
市役所でトラブルになる原因は、税金の滞納が多いでしょう。
税金が払えない、何年も数十万、数百万の滞納がある。
みなさんご存じのように、税金の支払いは国民の義務と言われています。
税金は毎年、前年度の所得から算出されるので、
「人それぞれ、その人の稼ぎから計算した金額」なのです。
大多数の人は、それなりに支払える額となっています。
前年度は稼いでいたけど、今年になって仕事を辞めてしまった人には、
現在が無職でも、昨年の所得で計算された税金が発生しますので、
お財布がイタい人もいるかもしれません。
支払いが厳しい人は、「納税相談」をして、
ひと月〇万円ずつ支払うなどの、分割での納税も出来ます。

民間で働いてると税金は給料天引きだから、意識しなかったなぁ。

役所の職員も鬼ではないので、少しずつでも支払おうという姿勢の人には、
差し押さえはしません。
逆に言えば、役所に何年も連絡もせず、督促が来ても知らん顔の人には、
「税の公平性」を保つために、差し押さえが執行されます。
つまり、差し押さえは最終手段です。
大事なモノを役所に持っていかれてしまった、と逆恨みする前に振り返っていただきたい。
支払えない事情があれば相談も出来たのに、連絡もせずご自分が税金を納めなかった事を。
このような役所に対しての逆恨みなどは日常で、トラブルの数は絶えません。
トラブルになる原因②生活保護申請の却下
役所でのトラブルは他にもあります。
生活保護の申請の却下でのトラブルも多いでしょう。
問題なのは、病気やケガでもう働けない人の申請ではなく、
「とにかく働かないで生活保護費を受給したい」人達がいる事です。
自治体によりますが、生活保護申請の審査は厳しいのです。
当然、貯金や車などの財産があっては生活保護は受けられません。
「自分は働かず、車も持ち家もあって、貰った保護費を貯金に回したい」
安易に考えている人がいる事に驚かされます。
そんな事がまかり通ったら、
それこそ『税金の無駄使い』になってしまいます。
そして審査が通らなかった場合、職員を刃物で脅して逆上する人もいます。
職員をナイフで脅しても、生活保護費は受給出来ません。

当たり前ですね…
いざという時のために

役所は危険と隣り合わせ
役所には自分の思うようにならなくて暴れる人、危険な人は来ます。
税金の滞納で大事なものが差し押さえになった、生活保護が受けられなかった等の、
「逆恨み」などから役所や職員が、その標的になったりします。
- 刃物を持って脅す。
- 火をつけて投げようとしてくる。
- レジのお金を盗もうとする。(強盗)
一歩間違えれば、大ケガ、命の危険さえあります。

こわいです!
「公務員は安定して、楽でいいよな」とは決して言えない世界なのです。
実際に、窓口のカウンターを乗り越えて暴力を振るわれたり、刃物で刺された職員もいます。
仲裁に入り突き飛ばされて、窓ガラスを片腕で割り、半身血だらけになった職員は私の同期でした。
ガソリンを撒かれて火をつけられたり、火炎瓶を事務室に投げられた自治体もあります。
これらのほとんどが「逆恨み」です。
役所の職員は、常にこの『理不尽さ』と戦っているのです。

市役所で働く人達って大変なんだな、知らなかったよ!
防犯訓練

意外と思われるかもしれませんが、
ここ数年で、市役所内でお客さんが帰った後などに、
防犯・防災訓練をする役所が増えています。
私がいた役所では、納税課等の窓口職場を中心に「防犯訓練」をやっていました。
数か月ごとに、「強盗」「火災」などとテーマを決めて、
職員が犯人役、市民役となり、
公務員にしておくのはもったいない?ほどの白熱した演技で、訓練を行っていました。
- 犯人をさすまたで取り押さえる担当。
- 警察に通報する担当。
- 出口を確保する担当。
- 市民を誘導して避難させる担当。
- 周りの課に危険を知らせる担当。
と、全員が役割を分担していました。
時間帯は、市民がいない終業時間後に、真面目に訓練に取り組んでいました。
何しろ、「他の市役所で実際にあった事例」を参考に訓練していましたので、
「いつ自分の市役所で起きてもおかしくない」と、みな真剣でした。

実際の事例を参考にしているので、訓練でも緊張感があります。
ブラインド訓練

あらかじめ周知する訓練の他にも、「ブラインド訓練」というものもありました。
最初にご紹介した訓練は、日にちもテーマも周知されています。
「ブラインド訓練」とは、訓練の日にちも詳細も、職員には知らされずに、
本番さながらに行う、よりリアルな訓練の事です。
職員達は、昼間はそれぞれに自分の業務を行い、
「今週末までのどこかで、意図的に突発的な緊急事態になり、それに対処する」
という訓練をするのです。
訓練担当の庶務係に、極秘で任命された職員が、
フラッシュモブさながらに、犯人役として模擬事件を起こし、
周りの職員が取り押さえるなどの対応をし、緊張感がありました。
実際の犯罪や災害は、急に起こるものですし、
このような「ブラインド訓練」は意義があると思いました。
訓練慣れを防ぎ、市民の安全、職員の安全を第一に考える試みは、
全国の役所に広がるといいなと思います。

市役所も様々な取り組みをしているんだね。
まとめ

「市役所職員の危険と危機管理」について、お話しました。
中でも今回は防犯、防災訓練についてのお話でした。
日々、役所の職員も防犯訓練に真面目に取り組んでいます。
市民の安全と、職員の安心して働いていける環境が整う事を願っています。
それでは本日のまとめです。
- 役所の職員は逆恨みされることもあります。
- 市民、職員の安全のために防犯、避難訓練も大切です。
- ブラインド訓練という、周知しないで行う訓練もあります。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
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