
こんにちは。
市役所に約25年間勤務して、アラフィフで退職した やめたいむ です。
ご覧いただきありがとうございます。
みなさんは「市役所の隠れブラック部署」をご存じですか?
市役所には、激務と言われている部署がありますが、隠れブラック部署とは、
一見しては激務部署ではなさそうなのに、実はブラック部署という意味です。
ブラックの定義「残業が多いのか、メンタル的にきついのか」は、人それぞれです。
どの部署が隠れブラックなのかをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!

実は隠れブラックが一番タチが悪い・・
実はブラック部署①戸籍係

市民課に異動になった人がいます。
今までは激務部署で有名な生活支援課だったから、大変だった。
「市民課は一日完結型の仕事だから、少しは楽だよね~。」と思いました。
ところが先輩から、「一般的には市民課は残業もなくて、楽なイメージだと思うでしょ?」
と、クギを刺されたのです。

え、違うんですか?
先輩は続けました。
「市民課の中でも、戸籍係は別モノだと思った方がいい。」
だいたいは、市民課の中で窓口係・戸籍係・庶務係と分かれている場合が多いです。
※戸籍課として独立している自治体もあります。
基本的に、窓口係は日中のクレームが大変ですが、残業はほとんどありません。
窓口係は、その日に受付した住民票の申請を、その日にお渡しする「一日完結型」の業務です。
戸籍係も普段はほぼ、残業はありません。
しかし、婚姻届が集中して出される日などは地獄と化すのです。
婚姻届

町村や小さい市はともかく、大きい市役所は婚姻届が集中します。
特に11月22日「いい夫婦の日」は、カップルが押し寄せます。
2月14日「バレンタインデー」、12月24日「クリスマスイブ」なども同様です。
これらの日以外にも、、婚姻届出が多い「大安」の日は、
職員は「大安ブルー」になっていました。

明日、大安だっ💦
戸籍モノの審査は、氏名等漢字に誤りがないか確認したり、
本籍地の市役所に電話で問い合わせもするため、1件の届出審査に時間がかかります。
また、再婚同士や外国人との婚姻の場合は、確認事項も多いので、
事務処理に1時間以上かかる時もあるのです。

え?そうなんだ、大変だね。
戸籍の届出が多い日は地獄

年号が新しくなる日、数字のゴロがいい日にちなどレアな時は、
一日で50件、またはそれ以上の婚姻届が出される場合もあります。
その日は戸籍係は緊急事態となります。
とりあえず提出された戸籍の受付をし、平日残業や休日出勤で、戸籍の審査をする事態になるのです。
大量の婚姻届と並行して、出生届や転籍届など、その他に提出された戸籍の届出も、審査しなければなりません。
職員同士でも、市民課のイメージは「残業がない」が浸透していますが、
実は戸籍係だけは「隠れブラック部署」なのです。

終わるまで帰れないよ~
戸籍の届出の数だけ人生がある?

当然、婚姻届以外にも、戸籍の届出は容赦なく(←え?)提出されます。
離婚届・出生届・死亡届・養子縁組届・転籍届と、戸籍の届出の種類も多いです。
戸籍届はその人の人生のあかしです。
この世に出生し、人により結婚、離婚、養子縁組、転籍、そして最後は死亡届まで。
毎日、色々な人に色々な事が起き、その度に戸籍が届出されます。
戸籍係は人々の人生のターニングポイントで、手続きのお手伝いをしている、尊い仕事ともいえるでしょう。
実はブラック部署 ②教育委員会

ここまでお読みいただいた方の中には、
「ほかにも隠れブラック部署ってあるの?」と疑問に思う人もいますよね。
私が今まで見てきた市役所の中では、教育委員会は外せないかなと思います。
教育委員会と言っても、いくつもの課に分かれています。
ここで扱うのは、図書館や公民館ではなく、学校関係の部署のことです。
※自治体によって、担当業務や部署名は異なります。
職員の認識として、図書館や公民館、体育館などの、
いわゆる「館系(やかたけい)」はそんなに激務でも、ブラックでもありません。
それでは、詳しく見ていきましょう。

教育委員会って、色々な課があるんだね。
実はブラック部署 ②-1教育学務課

教育学務課は、おもに就学・転校の手続きや、
市内の小中学校に関する会計や、教職員の健康診断などの業務を担当しています。
中でも「就学困難な児童・生徒のための援助」は、デリケートな問題が多く含まれています。
当然、いじめ・不登校・学級崩壊の問題などは、気を遣う事になります。
時には、モンスターペアレントと学校の板挟みになる場合もあります。
よく、学務課の前で、親御さんが大声を出されているのを見かけました。
「あの担任を辞めさせて!気に入らないっ!!」と詰められて、
「そう言われましても・・」と職員が困っていました。
毎日、たくさんの親御さんと教職員に、代わるがわる文句を言われ、
うつ病になってしまった同僚もいました。

学校がすべて悪いのよ!市役所から何とか言ってよ!!

学校は悪くない!市役所で対応してよ!!

うわ~、助けて💦
実はブラック部署 ②- 2教育指導課

教育指導課は、教科用図書や教職員の人事・給与に関する業務です。
この給与の業務が大変なのです。
制度が複雑で変更が多く、パソコンの入れ替えの度に、入力の仕様が変わったりと厄介です。
そして、もっと厄介なのが「先生相手」だという事です。(←小声)
お子さんが生まれたのに、扶養手当の申請をすぐに報告しなかったりと、
教職員が意外と期日を守ってくれないのです。
※個人の感想です。

え~、学校の先生なのに意外だな。
それなのに、手当の振り込みが遅いと、激怒りの電話をして来たりする場合もあります。
「扶養が増える旨のご報告が遅かったので、振り込みも遅れますっ」
と言っても、文句を言われる事もあります。

扶養手当が振り込まれてないよ!
大きい市だと小中学校の数が多く、教職員も多いので、膨大な給与計算などに追われます。
電算化はされていますが、交通費の精算や扶養手当の増減は手入力の部分もありました。
給料日に入力などの手続きを間に合わせるために、
残業、休日出勤する場合も実は多いのです。

給料日前は、休日出勤は必須でした…
実はブラック部署 ②- 3教育総務課

大きい市では、教育総務課と教育施設課に分かれている自治体もあります。
ここではわかりやすいように、分けて記載します。
教育総務課は、教育委員会のとりまとめで、庶務的事務がメインです。
守備範囲が学校全体で、細かく広く大変です。
教育委員との調整や、議会対応など、教育委員会全体のとりまとめをします。
ここの課の庶務係長は、出世していくイメージでした。
逆に言えば、出世するような人が、教育総務課に異動して来るのかもしれません。
激務というよりは、表も裏もコマかい仕事が膨大にあるのに、
その苦労が表立って見えていない部分が多くて、隠れブラック部署という感じでした。
実はブラック部署 ②- 4教育施設課

教育施設課は、各学校からの修繕要望等に対応する業務です。
「ウチの学校を先に直してくれ~」と校長たちはみんな考えています。
しかし予算が限られているので、当然順番待ちです。
そのため、教職員からの苦情も多いです。
これくらいはブラックとはいえないかもしれません。
実はこの課で一番コワイのは、学校の建て替え担当に当たることです。
やりがいも残業も一気に増えます。
3、4年の間、担当した学校が建て替え終わるまで異動出来ません。
副校長と業者との板挟みになり、調整が一番大変だったと、同期は言っていました。

学校関係も色々大変なんだね、知らなかったな。
隠れブラック部署がつらいワケ

昔と違って、今は職員も減らされて、どこの部署も大変です。
ただ激務部署は、どう見てもメジャー級に大変なので、
「忙しくて大変でしょ?」と周囲から同情されます。
しかし、隠れブラック部署の場合、周囲から大変だと理解されづらいので、
有名な激務部署ほど、同情されません。
同情されたいというワケではないけど、
辛さをわかってもらえないのは少し切ないですね。

確かにそうかも…
まとめ

「【実は激務】市役所の隠れブラック部署!」をご紹介しました。
市役所の仕事は、外部からは楽に見えても、
配属されたらヤバかったという部署も意外とあります。
でも、もしブラック部署に配属されても、この記事を読んだあなたならきっと大丈夫です。
「実はブラック部署だと知っていること」は強みです。
世の中で最も怖いのは、「ブラック部署だと知らないで働く事」ですから。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
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